農水省と一太郎 ― 2021年04月02日
内閣提出の法案にミスが相次いだのはワープロソフトの「一太郎」が原因だとの理由から、農水省は一太郎の使用を禁止したとのネット報道がありました。これには驚きました。私は数十年にわたる一太郎フアンであり、馬鹿正直に、毎年一太郎を買い替えて justsystem に貢いできました。一太郎を好きなのは、きめ細かく何でも指定できる柔軟さでありまして、私は Word に挑戦したこともありますが、扱いにくいと感じてなじめませんでした。したがって、私には優秀な一太郎が法案のミスを招いたとは信じられませんし、もし、使用禁止になったことが本当であれば誠に残念でありそれは誤解だと思わざるを得なかったのです。
私は一太郎を愛し、毎年、新しい一太郎が届くと、次のように初期設定をしております。参考にしていただければ幸いです。
1 まずはキー割付から始める。ツール、割り付け、キーへと進み、修飾キーとして「ctrl」キーを指定する。そして、ctrl+@をインデントマイナスに割り付け、ctrl+「をインデントプラスに割り付ける。これでインデントを用いた文書作成が抜群に楽になります。次に、ctrl+kを均等割付けに割り付け、ctrl+Oは文字置換えに割り付けております。
2 次には、L(エル)行が初期設定では「あいうえお」の小文字指定になっているのが私は気に入らないので、「らりるれろ」に割り付ける。「ら」は「ra」でも「la」でも打てるようにしたいのです。そのためには、一太郎を開き、ツール、日本語入力のメニュー、プロパティー(環境設定)へと進み、ローマ字カスタマイズで「L」行を一字一字ら行に変更していきます。
これでほとんど完成であり、非常に使いやすい一太郎及びATOKになる(と思っております)。
私は一太郎を愛し、毎年、新しい一太郎が届くと、次のように初期設定をしております。参考にしていただければ幸いです。
1 まずはキー割付から始める。ツール、割り付け、キーへと進み、修飾キーとして「ctrl」キーを指定する。そして、ctrl+@をインデントマイナスに割り付け、ctrl+「をインデントプラスに割り付ける。これでインデントを用いた文書作成が抜群に楽になります。次に、ctrl+kを均等割付けに割り付け、ctrl+Oは文字置換えに割り付けております。
2 次には、L(エル)行が初期設定では「あいうえお」の小文字指定になっているのが私は気に入らないので、「らりるれろ」に割り付ける。「ら」は「ra」でも「la」でも打てるようにしたいのです。そのためには、一太郎を開き、ツール、日本語入力のメニュー、プロパティー(環境設定)へと進み、ローマ字カスタマイズで「L」行を一字一字ら行に変更していきます。
これでほとんど完成であり、非常に使いやすい一太郎及びATOKになる(と思っております)。
印の廃止について ― 2020年10月26日
日本人は、昔から印(はんこ)を大切に扱ってきたように思います。私の場合、中学校卒業のときに学校から卒業生全員が各人の苗字を刻んだ印をもらいました。その後実印が必要になったので学校からもらった印を市役所に届け出て実印にしました。さらに先祖が使っていた立派な印が出てきましたのでそれを実印に変更しました。印は,法律上も重要な扱いを受けてきました。まず民事事件では、その人の印が押してある文書はその人が全部を作成したと推定されます(民訴法228条4項)。その意味は、自分の印が押してある以上,内容は知らないと言わせないということです。銀行実務においても銀行に届け出た印は重要な意味を持っています。手形の振出印が違えば印鑑相違で手形の支払がされません。刑事事件においては、行使の目的で他人の印を偽造するだけで3年以下の懲役に処されますし(刑法167条1項),他人の印を使用して文書を偽造すれば5年以下の懲役に処されます(刑法159条)。
ところが最近、政府の方では印を廃止する方向で検討されているようですが、それが,政府の各省庁の決済書類の印をなくすだけのことならよいのですが、何でも廃止となるのは困ります。全面的に印を廃止するのなら、上記のような印の歴史、民事・刑事上の扱いなど、十分な知識を持った上で廃止の可否を検討してもらいたいと思います。私は,民事・刑事上の扱いや実印制度(地方公共団体の条例による)などは廃止する必要がないと思います。むしろ,印を大切に扱ってきた日本の伝統を守ってほしいと思います。
ところが最近、政府の方では印を廃止する方向で検討されているようですが、それが,政府の各省庁の決済書類の印をなくすだけのことならよいのですが、何でも廃止となるのは困ります。全面的に印を廃止するのなら、上記のような印の歴史、民事・刑事上の扱いなど、十分な知識を持った上で廃止の可否を検討してもらいたいと思います。私は,民事・刑事上の扱いや実印制度(地方公共団体の条例による)などは廃止する必要がないと思います。むしろ,印を大切に扱ってきた日本の伝統を守ってほしいと思います。
関西電力とモンスター ― 2020年03月18日
関西電力の重役たちが発電所の地元の有力者から金をもらっていたことが判明して非難されている。検察官出身者を中心とした第三者委員会は,「ユーザーの視線が欠けていた」と非難したことが報道されたが,ちょっと違うと思う。全国各地にはモンスターというべき恐ろしい人物がおり,この地元有力者もそうだったのだと思う。そういうモンスターに逆らう勇気は普通の人にはないはずだ。ほとんどの人が恐怖に負けて事なかれ主義に走ってしまうと思う。つまり,ほとんどの人がその立場にあれば金を受け取ったと思う。毅然とした態度をとった人が一人もいなかったのは残念だが、重役たちを安易に責めることはできないと思う。本件には,そういう視点が必要なのではないか。モンスターをのさばらせない制度、手段はないものかどうか。
6人殺害で無期懲役判決 ― 2019年12月07日
小学生を含む6人を殺害した被告人(外国人)の裁判で,東京高裁は,1審のさいたま地裁がした死刑判決を破棄し,無期懲役の判決を言い渡しました。この高裁判決に対しては,多くの人が非難の声をあげました。テレビに出る弁護士もみんな非難しています。しかし,その非難は要するに,6人の殺人という結果の重大性を考えると1審の裁判員裁判が正しいはずであるとか,1審は裁判員裁判であったのにそれを職業裁判官が覆すのは市民感覚が欠如しておりおかしいといった内容です。ところが,この高裁判決は,被告人を統合失調症の妄想による「心神耗弱者であった」と認定しているのであり,そのことにより死刑を減軽して無期懲役に処したと報じられています。刑法39条2項は,「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」と規定し(必要的減刑),刑法68条1号は,「死刑を減軽するときは、無期の懲役・・・とする。」と規定していますから,精神障害の状況からして心神耗弱者と認定する以上,被告人は必ず減刑されなければならないのであり,死刑にされることはあり得ないのです。本件は,心神耗弱者であるか否かという事実認定の問題であり,私にはその真否はわかりませんが,具体的理由をあげて心神耗弱者の認定が誤っているという非難ならともかく,「裁判員裁判を重視すべきだ」,「死刑にしなかったのが気に食わない」という感情論では話になりません。
16歳少女の国連演説 ― 2019年09月30日
先日,スウェーデンの16歳の少女が国連で演説し,注目を浴びました。少女は,①地球は温暖化している,②その原因はCO2の排出であるとして,それに対する措置をとらない大人たちを厳しく非難しました。少女はすごい形相で大人たちを叱りつけました。しかし,この少女は,地球温暖化とその原因を自ら研究したり体感したりしたわけではなく,他人の説を鵜呑みにしたところが問題です。地球温暖化については,果たして本当に温暖化しているのか,温暖化しているとしたらその原因は何なのかについてはいろんな見解があって,私もよくわからない難しい問題ですのに,16歳の少女があのように一つの説を信じ込み,鬼の形相で大人を罵るのはいかがなものかと感じました。ネットによると私と同様の感想を持った人も多いようで安心しました。
川崎殺傷事件 ― 2019年06月03日
川崎殺傷事件で無関係の人を殺傷した後に自殺した犯人に対し,「死にたいなら自分一人で死ね。他人を巻き添えにするな。」というごく普通の意見があります。ところが一方では,被害者ではない他人がそういうひどいことを言うべきではないと意見する人がおり,ネットで炎上している模様です。私は,自死を肯定することになる言い方を避け,「死にたかったら,自分一人で死ね。」で終わらずに,「だけど,死ぬなよ。」と一言付け加えてあげたらよかったなと思います。
除斥期間と判決 ― 2019年05月29日
旧優生保護法(昭和23年~平成8年)下で不妊手術を強制されたとして被害者が国に損害賠償を求めた訴訟で,仙台地裁は原告の請求を棄却しました。この判決に対してはマスコミや被害者から非難囂々です。請求を認容すべきだった,除斥期間のような技術的な理由で請求を棄却すべきではなかった,と。しかし,この請求は除斥期間の制度からしてもともと無理な請求です。民法の除斥期間の規定は,平たく言えば,「裁判官は、訴状の記載を見て,20年より昔の事件により損害賠償の請求をしていることがわかれば,直ちに請求を棄却しなければならない」というものだからです。国家賠償の場合も同じです。ですから,このような訴訟を提起するのが間違いなのであり,裁判所ではなく,国会に対して,除斥期間に関する民法の規定を改正するように陳情すべき問題ではないでしょうか。訴状の記載からして20年以上前の事件である以上,代理人弁護士は請求が法律上成立しないことを依頼者に説明すべきだし(なお,20年経過半年以内ならなんとか方法があります),それを無視して提起された裁判に対しては,裁判官は実体審理に入らずに直ちに結審し,請求を棄却すべきだったと思います。報道によると,「請求は棄却するが旧優生保護法の規定は憲法違反である」と判示しているらしいですが,余計な付け足しと言うべきです。
えん罪事件と国家賠償 ― 2019年03月15日
少し古い話になりますが,テレビのニュース報道によると,ある男性は,女性の嘘によって強姦罪で有罪になり,懲役12年の刑が確定し,6年間服役しました。しかし,あとになって,被害女性が嘘をついていたことがわかったため,再審により無罪になったそうです。そこで,男性は,国に対し,国家賠償法による損害賠償を求める民事訴訟を提起しましたが,大阪地裁はその請求を棄却したとのことです。その話を聞いて,私は,それは気の毒だ,請求を認めてあげたらよいのに,と裁判官をなじる気持ちになりました。しかし,くわしいことがわかって考えを改めました。男性が提起した民事裁判というのは,裁判官が不法行為をしたことを理由とする国家賠償法1条に基づく請求だったというのです。ただし,これを書いている時点では判決文を入手できていませんので間違っていたらご勘弁ください。
しかし,裁判官は,法廷に提出された証拠を見て判断すればよいのであり,その判断が間違っていたことが後にわかったからといって,裁判官が不法行為をしたとは言えません。判例(最高裁昭和57年3月12日判決・民集第36巻3号329頁)は,「裁判官がした争訟の裁判につき・・・国の損害賠償責任が肯定されるためには、・・・当該裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする」と述べています。「裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判」することなど通常あり得ません。検察官や司法警察員に過失があることを理由とする国家賠償ならともかく,裁判官に過失があることを理由とする国家賠償請求は容易に成立しません。請求を棄却した民事裁判の判決は当然だと思います。
なお,上記の最高裁判決が対象とした民事訴訟は,私が弁護士となった当初に勤務した法律事務所のボス弁が訴訟代理人として提起した訴訟でした。当時は,あまりに唐突に裁判官の過失を理由として国家賠償を求めるボス弁の発想に違和感を抱き、ついていけないなあと感じました。結局,ボス弁と意見が合わず,わずか2週間勤務しただけでその事務所を退職する羽目になりました。そのボス弁も今や故人となっています。
しかし,裁判官は,法廷に提出された証拠を見て判断すればよいのであり,その判断が間違っていたことが後にわかったからといって,裁判官が不法行為をしたとは言えません。判例(最高裁昭和57年3月12日判決・民集第36巻3号329頁)は,「裁判官がした争訟の裁判につき・・・国の損害賠償責任が肯定されるためには、・・・当該裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする」と述べています。「裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判」することなど通常あり得ません。検察官や司法警察員に過失があることを理由とする国家賠償ならともかく,裁判官に過失があることを理由とする国家賠償請求は容易に成立しません。請求を棄却した民事裁判の判決は当然だと思います。
なお,上記の最高裁判決が対象とした民事訴訟は,私が弁護士となった当初に勤務した法律事務所のボス弁が訴訟代理人として提起した訴訟でした。当時は,あまりに唐突に裁判官の過失を理由として国家賠償を求めるボス弁の発想に違和感を抱き、ついていけないなあと感じました。結局,ボス弁と意見が合わず,わずか2週間勤務しただけでその事務所を退職する羽目になりました。そのボス弁も今や故人となっています。
台風と損害賠償 ― 2018年09月06日
今回の台風21号は猛烈な風で関西地方のあちこちに被害をもたらしました。屋根瓦が飛んで近所の建物や駐車車両を傷つけたり傷つけられたりしました。しかし,これは天災地変の結果であり,人々の過失によるものではありませんから,民法709条の不法行為は成立せず,損害賠償責任は発生しません。もっとも,建物や竹木の設置・保存の瑕疵があるときは別問題であり,過失がなくても損害賠償責任が発生します(民法717条)。それでは被害者に対して気が済まないので加害者(?)側から見舞金を出すことはかまいませんが,裁判で損害賠償を請求されても通常は負けることはないでしょう。身近で話題になったので見解を披露しました。
ある詐害行為取消しの事件 ― 2018年07月09日
暑中お見舞い申し上げます。
最近終わった裁判の中に,民法424条の適用に関する事件がありました。
ある会社は,債権者Aと債権者Bにそれぞれ債務を負担していましたが,債権者Aに対してのみ債務を弁済した結果,債権者Bに返済できなくなった事件です。弁済を受けられず怒った債権者Bは,会社がした債権者Aへの弁済が詐害行為に該当すると主張して弁済行為の取消しを裁判所に請求しましたが,Bの請求は棄却されました。私は勝訴した債権者Aの代理人でした。一般に、債務者が破産して平等弁済を受けるべき状態になっているのならともかく,破産していない時は,債権者Aに対してのみ債務を履行したからといって詐害行為にならないとの判決です。最高裁の古くからの判例に沿った判決でした。あっさりと勝訴し、控訴もされず確定しました。
最近終わった裁判の中に,民法424条の適用に関する事件がありました。
ある会社は,債権者Aと債権者Bにそれぞれ債務を負担していましたが,債権者Aに対してのみ債務を弁済した結果,債権者Bに返済できなくなった事件です。弁済を受けられず怒った債権者Bは,会社がした債権者Aへの弁済が詐害行為に該当すると主張して弁済行為の取消しを裁判所に請求しましたが,Bの請求は棄却されました。私は勝訴した債権者Aの代理人でした。一般に、債務者が破産して平等弁済を受けるべき状態になっているのならともかく,破産していない時は,債権者Aに対してのみ債務を履行したからといって詐害行為にならないとの判決です。最高裁の古くからの判例に沿った判決でした。あっさりと勝訴し、控訴もされず確定しました。
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